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    2018/06/26
    第1回 仙台環境建築勉強会
    仙台の設計者が集まり、設計者による3件の建物を見学、その後、それぞれの意見を持ち寄り、

    今後の環境建築を考えていくという主旨で勉強会が開催されました。

     

    まず一件目は 設計島建築事務所三浦さんの自邸  第2回日本エコハウス大賞受賞の「スキップする

    トンネルハウス」です。南面が道路を経由しての川、北面が生い茂る森という傾斜地を最大限有効

    利用するべく、室内もスキップフロアになっているといった基本的な設計コンセプトから、素材・

    設備・温熱環境などの概要説明です。

     



     

    続いて都市環境設計計画UAPPさんの(仮称)「萩ヶ丘の家」です。

    こちらも仙台市内にありながら高台に位置し、素晴らしい眺望のロケーションです。坂道を途切れさ

    すことなく、連続して建物にも反映させる技はさすがです。ここでは採熱室を設け、取込んだ熱を

    壁の中や床下に設置したPCM(phase change materials ・・・温度によって物性が変わり、熱の

    蓄放熱をする素材)に伝え、暖房利用しようという試みがスタートしています。

     



    最後に菊池佳晴建築設計事務所の建築中の「上杉の家」です。

    ここはドイツパッシブハウス基準をクリアすべく設計されました。断熱材はウッドファイバーで

    現場に積まれており、なかなかの迫力です。それが壁に420mm、屋根には500mm入ります。

    サッシはノルド社製の木製アルミクラッドのものとドイツ超高性能製樹脂窓UNILUXの併用です。

    ちょうど、窓廻りの収まりなども見ることができました。



     

     

    後半は3者3様の発表を聞いた後、意見交換です。

     

    三浦さんが考える「エコ」は温熱環境はもちろん素材やエミッション(廃棄物を出さない)のエコ

    が念頭にあります。脱ハリボテ、石膏ボードを使わない、などがその思想の表れですね。

     

    UAPPさんの今回の現場は大きな開口部も特徴のひとつで室内にいるときの人が感じる視覚的な

    快適さ、開放感はとことん計算されています。一方で断熱性能については前述のPCM採用、データ

    取りをし、今後に活かすなど試行錯誤中とのとこで今後の展開が非常に楽しみです。

     

    菊池さんが、こだわったのは仙台でパッシブハウスを体感してみたかったというものです。

    各地で様々な高性能住宅をご覧になった中で、その思想や意味といったものを理解され、

    では、仙台でそれをやった時にどんなことになるんだろうというところにフォーカスしています。

    ともすると、トゥーマッチと言われそうな断熱性能ですが、もちろん仙台における冷房負荷の

    低減にも間違いなく有効で、それは今までの北海道、北東北でに展開から新しい局面に繋がる

    チャレンジなのです。

     

    「高断熱高気密が大キライな私がエコハウスを建てたら」

    「建築家が断熱気密住宅を嫌う理由」

    「エコハウスってなんだかダサい」

     

    これらは後半の意見交換で出てきたスライドタイトルです。

    なかなかに刺激的な意見交換が交わされた訳ですが、それだけ温熱環境に対して何とかしようという

    設計者さん達の思いが伝わってきてとても楽しい会でした。

     

    環境建築という言葉はとても広義なもので、それぞれの立ち位置によって捉え方も様々だというのが

    ひとつ難しいところでもあるのですが、ヒントは施主なんだろうという気がしています。

    どのくらいエコで暖かく、環境負荷も少ないものが必要なのか、

    それは住んだ後の施主が持っている

    「住み心地」だったり「愛着」だったりといった言葉で表される答えなんだろうと。